sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜


「わ、私、訴えられちゃうんですか……?」


ぎゅ、と彼の服をつかんで心細い瞳を向けると、彼はあり得ないという風に笑い飛ばした。


「大丈夫だよ。あの時千那がした婚約はいわば脅迫によって無理やりさせられていただけだから、そもそも正当なものではなかったし。岡田祥平は岡田祥平で、婚約破棄されても仕方のない悪事に加担していたわけだから、千那には全く法的責任はないよ」


安心させるように頭を撫でられ、ホッとする。

法律に詳しい人がそばにいるって、すごく頼もしいな。その上カッコよくて優しくて……こんな人が私の旦那さまだなんて、私はこの上ない幸せ者だよ。

夢見心地で彼の胸に頭をもたれていると、ふと窓の外に明るい光の粒がはじけたのが見えた。

そうだ、この時間はいつも海のある方角からテーマパークで打ちあがっている花火が見えるんだよね……。

私はソファから立ち上がって、ゆっくり窓に歩み寄る。

そこから眺められるのは、次々舞い上がる色とりどりの花火と、西洋風のお城のシルエット。そのロマンチックな光景に、しばしの間見惚れる。

するといつしか詠吾さんも隣に並んでいて、花火を見つめる私の顔をそっとのぞき込んだ。


「なあ千那。俺たちの結婚式、あそこで挙げようか」


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