ぼくのセカイ征服
振り向いて別れを告げるコトハの微笑みには、いつもの明るさはなく、限りなく切なかった。
そう、それはまさしく、永遠の別れを暗示させているかのような…そんなぎくしゃくした微笑みだった。見ているこっちが、胸が裂けそうになるほどに。
「コトハ、待っ……!」
その微笑みに呆然とした状態から復帰した僕の、コトハをこの場に繋ぎ留める為だけの制止を聞ききらぬまま、彼女は教室を後にした。足音から推測するに、走り去っていった様だ。
…僕はコトハを追い掛けられなかった。コトハに追い付いても、何と声を掛けたらいいのかわからなかったからだ。
…いや、こんなのはただの言い訳にしかすぎないのかもしれない。
心の奥で、僕はコトハの事を疎ましく思っていたのかもしれない。僕達の関係が、砂で出来た城が波に掠われるように、脆く崩れ去ってしまえばいいと思っていたのかもしれない。
やっぱり、僕は最低だ。
こんな風に、バカだったつい先程の自分を責め、果てしない自虐の螺旋を辿ろうとしている僕は、教室のドアが開かれる音で、一気に現実世界に引き戻された。
「コトハ…!?」
僕は万に一つの…一縷の可能性に望みを繋ごうとした。
そして、僕がドアの方を見た先には…
「残念。私よ…」
「スミ…レ…?」
スミレがいた。うげっ…!よりにもよってコイツが来るとは…。何て最悪なタイミングだろう。
ふと気付いたが、僕がコイツと出会う時は、いつもタイミングが悪い気がする。疫病神か、コイツは!?
まぁ、とにかく、僕の淡い期待は砕け散ったってワケだ。あーあ。もう、何だかやる瀬ない。
「どうしたのよ…?幽霊でも見たような顔をして…」
「いや…多分、僕は神を見ている。」
「それにしても…無樣ね、時任君。」
「何がだよ…。僕はいつも通り、至って普通だぞ?」
「あら、そう?とてもそうは見えないけれど…」
「お前がそう言う根拠は何だよ…?」
「別に、根拠なんて大それたモノはないわ…。ただ、幼なじみとケンカしました、と顔に書いてあるから、てっきり天川さんと喧嘩でもしたのかとばかり思い込んでいたの。ごめんなさい。」
「………」
そう、それはまさしく、永遠の別れを暗示させているかのような…そんなぎくしゃくした微笑みだった。見ているこっちが、胸が裂けそうになるほどに。
「コトハ、待っ……!」
その微笑みに呆然とした状態から復帰した僕の、コトハをこの場に繋ぎ留める為だけの制止を聞ききらぬまま、彼女は教室を後にした。足音から推測するに、走り去っていった様だ。
…僕はコトハを追い掛けられなかった。コトハに追い付いても、何と声を掛けたらいいのかわからなかったからだ。
…いや、こんなのはただの言い訳にしかすぎないのかもしれない。
心の奥で、僕はコトハの事を疎ましく思っていたのかもしれない。僕達の関係が、砂で出来た城が波に掠われるように、脆く崩れ去ってしまえばいいと思っていたのかもしれない。
やっぱり、僕は最低だ。
こんな風に、バカだったつい先程の自分を責め、果てしない自虐の螺旋を辿ろうとしている僕は、教室のドアが開かれる音で、一気に現実世界に引き戻された。
「コトハ…!?」
僕は万に一つの…一縷の可能性に望みを繋ごうとした。
そして、僕がドアの方を見た先には…
「残念。私よ…」
「スミ…レ…?」
スミレがいた。うげっ…!よりにもよってコイツが来るとは…。何て最悪なタイミングだろう。
ふと気付いたが、僕がコイツと出会う時は、いつもタイミングが悪い気がする。疫病神か、コイツは!?
まぁ、とにかく、僕の淡い期待は砕け散ったってワケだ。あーあ。もう、何だかやる瀬ない。
「どうしたのよ…?幽霊でも見たような顔をして…」
「いや…多分、僕は神を見ている。」
「それにしても…無樣ね、時任君。」
「何がだよ…。僕はいつも通り、至って普通だぞ?」
「あら、そう?とてもそうは見えないけれど…」
「お前がそう言う根拠は何だよ…?」
「別に、根拠なんて大それたモノはないわ…。ただ、幼なじみとケンカしました、と顔に書いてあるから、てっきり天川さんと喧嘩でもしたのかとばかり思い込んでいたの。ごめんなさい。」
「………」