ぼくのセカイ征服

「はは…じゃあ、僕の部活は潰れないじゃないか。ふ、はは……はははははッ！」
「つくづく、悪役笑いが似合わない人ね…」
「ふぅ…ああ、なんか…今日は本当に、色々とありがとうな。お前には、いくら感謝してもしきれないくらいだ。」
「礼には及ばないわ。それと、そんな事を面と向かって言わないでくれるかしら？」
「…？どうして？」
「そ、その…照れる、から…」

…あれ？これって、今流行りのツンデレってやつ？
ま、まさか『あの』スミレがそんな属性を持ち合わせていたなんて。

――しかし、『それもちょっとアリかも…』なんて思ってしまった僕は、イケナイ『あちら側』の人間なのだろうか？
自分が『そう』だと気付いていない『そういう人間』なのだとしたら、かなり虚しい。
まぁ、実際、どうなのかはよくわからないのだが。

「…なんてね。冗談よ、冗談。変な期待を抱かせてしまったのなら、謝るわ。」
「え…？冗談？」
「ええ、冗談よ。冗談ではない方がよかったかしら？」
「…い、いや、まぁ、どっちでも…」

冗談、なのか…。ほっとしたような、少し残念なような。
というか、一瞬色々と考えてしまった僕は何なんだ？やはり『あちら側』の人間なのだろうか？

それに加えて、微妙な動揺のせいでスミレへの返答がしどろもどろになってしまった。
鋭いスミレの事だ。僕がどのような事を考えていたのかバレたな、これは。

「どっちでも…何なの？『良い』？それとも『悪い』？はたまた『普通』？」
「無難な『普通』という事にしておく。」
「『良い』にしておかないと、角が立つわよ？」
「じ、じゃあ、『良い』で。」
「はぁ…本当に優柔不断ね。やはり、天川さんが怒るのも無理はないわ。私が天川さんだったら、今日だけで時任君を４回ほど脳内で殺して、それでも飽き足らずに『（※自主規制）』して、今頃留置所にいるはずだもの。」
「…そんなに僕を痛め付けて楽しいか？」
「ええ。かなり。」

…ダメだ。やはり、スミレと真っ正面から会話をしてはいけない。
少しでも気に障る事を言ったら、気がついたらあの世だった、なんて事になりかねない。いや、本当に。

――何故こんな話になったのかよくわからないが、とりあえず、このままではまずいので、話を逸らすとしよう。

と、いうことで。