ぼくのセカイ征服
「ええ…それでは皆、手元に配ってある予算案に目を通し、て…ふふ。」
「…?どうした?」
「いいえ、何でも無いわ…ただ、これではまるで貴女が会長みたいに思えて…、少し可笑しかっただけよ。」
「…そ、そうか?茶化すのはよしてくれ。」
「む…この雑費、というのは何だ?」
二人の女の他愛ない会話に、本来の会長であるゼロと呼ばれる男が割り込み、アミという女に尋ね掛けた。
「予算案の作成や計算…それと編集等々は、全てライが行ったものよ。その『雑費』とやらの内訳は、本人に聞くしかないんじゃないのかしら?」
「…とのことだが、ライ?」
「…ええとぉ…そ、それはですねェ、そのぉ、何というか……」
急に話を振られたライという男は、しどろもどろになりながら、少しずつ言葉を紡いでいく。
――その時。
「ああ、イライラするねぇ、もう!アンタのそのウジウジした所、アタシは大っっ嫌いだよ!やっぱり、どうっっにも我慢できないね!」
不意に、荒々しく粗暴な…しかし、女という事が判断不可能という程しゃがれてもいなければ、低いわけでもない声が静かな部屋の空気に波をたてた。
「――カノン、女がそんな大声…あまつさえ、汚い言葉遣いで取り乱すのは実にみっともない。少しはアミを見習って、たおやかにしたらどうだ?」
間髪を入れずに、父親が娘に諭すように、他の模範であるべき『生徒会長』が、二人いる『書記』の片方に向かって提案する。
「はん!ゼロ、いくらアンタの言う事だからって、そこだけは譲れないねぇ!アタシはねぇ、本当なら、あんな風に『ふにゃふにゃ』してる女もウジウジしてる男と同じくらい気に食わないんだ!アミは許せるけど、他のヤツは絶っっ対に無理!そんな生理的に受け付けない連中と『同じように生活』だなんて、できるかってんだい!」
「………………」
まさしく感極まったといった様子のカノンという女の暴走に、『会長』は手に負えない、といった眼差しで、アヤナという女の方を見た。
…調度、その時だった。
「…?どうした?」
「いいえ、何でも無いわ…ただ、これではまるで貴女が会長みたいに思えて…、少し可笑しかっただけよ。」
「…そ、そうか?茶化すのはよしてくれ。」
「む…この雑費、というのは何だ?」
二人の女の他愛ない会話に、本来の会長であるゼロと呼ばれる男が割り込み、アミという女に尋ね掛けた。
「予算案の作成や計算…それと編集等々は、全てライが行ったものよ。その『雑費』とやらの内訳は、本人に聞くしかないんじゃないのかしら?」
「…とのことだが、ライ?」
「…ええとぉ…そ、それはですねェ、そのぉ、何というか……」
急に話を振られたライという男は、しどろもどろになりながら、少しずつ言葉を紡いでいく。
――その時。
「ああ、イライラするねぇ、もう!アンタのそのウジウジした所、アタシは大っっ嫌いだよ!やっぱり、どうっっにも我慢できないね!」
不意に、荒々しく粗暴な…しかし、女という事が判断不可能という程しゃがれてもいなければ、低いわけでもない声が静かな部屋の空気に波をたてた。
「――カノン、女がそんな大声…あまつさえ、汚い言葉遣いで取り乱すのは実にみっともない。少しはアミを見習って、たおやかにしたらどうだ?」
間髪を入れずに、父親が娘に諭すように、他の模範であるべき『生徒会長』が、二人いる『書記』の片方に向かって提案する。
「はん!ゼロ、いくらアンタの言う事だからって、そこだけは譲れないねぇ!アタシはねぇ、本当なら、あんな風に『ふにゃふにゃ』してる女もウジウジしてる男と同じくらい気に食わないんだ!アミは許せるけど、他のヤツは絶っっ対に無理!そんな生理的に受け付けない連中と『同じように生活』だなんて、できるかってんだい!」
「………………」
まさしく感極まったといった様子のカノンという女の暴走に、『会長』は手に負えない、といった眼差しで、アヤナという女の方を見た。
…調度、その時だった。