Call my name !! 【短編】
私はシンプルなモノトーンの部屋の隅で、ブルーライトに照らされている水槽を想像していた。

しかし実際は、やたらと生活感の溢れる部屋の中で魚達は自由に泳いでいた。


ケイタ、掃除苦手なんだろうな。床には今朝まで着ていたであろうジャージや靴下などが散乱している。

呆気にとられている私の横で、その脱ぎ散らかしを足で避けながら、ケイタが部屋の奥へ進んでいく。私も慌ててケイタに続いて水槽の前に来た。


二人で水槽の前で座って眺めていたら、自然に顔の距離が近くなっていた。ケイタが水槽を指でつつくと、魚がそれに反応して身を翻す。


……これはいけるよね。さっき手を繋いだとき、受け入れてくれてたはず。今だってこんなに近くに顔がある。

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