【B】眠らない街で愛を囁いて
続・眠らない街で愛を囁いて
千翔と一緒に生活をするようになって四年の月日が過ぎようとしていた。
 

学生で起業して、学業と会社の両立をしながら生活していた千翔は、
大学院の卒業と共に千凱兄さんが社長として経営している一族の会社と、
自身が起業した会社の経営と、二足の草鞋を続けていた。


どちらも千翔には必要で、選ぶことが出来ないのだと話してくれた。


私はというと、あの事件の後、治療が進んで少し病状が落ち着いた馬上さんが店長宛に一通のエアメールを送ってきたことから誤解が解け、
同じマンションにいるのなら、もう一度働かないか?っと誘われた。


でもその頃には、私も千翔のオフィスで出来る手伝いを始めていて断らせてもらった。


52階の噂は今もいろんなことが飛び交っていて、
そんな夢の世界に私が住んでるなんて、バレちゃいけないと別の意味でスリリングな時間。


だけど千翔は一緒に生活をしてから今日まで抱きしめてキスをすることはあっても、
それ以上の一線を越えようとはしなかった。



我慢できなくなって私の方が『千翔に触れて欲しい』っとねだっても、
千翔は首を縦にふってくれなかった。


私の両親との約束で、大学を卒業するまでは一線を超えないように念押しされていたからなのだと言う。
そんな約束を律儀に守り続けてくれた時間がやっと終わる。





「叶夢、今日だね」

「有難う。千翔」

「叶夢の着物姿、やっぱり綺麗だね。
 親父がごめんね。勝手に振袖を買ってきちゃって」

「ううん。
 嬉しいよ……。この振袖を着てちゃんと卒業してくる。
 
 だから……帰ってきたら……」抱いてくれますか?



最後まで伝えきれずにいた私を千翔は、ぎゅっと抱きしめてキスをする。



「あっ、ごめん。
 せっかく、綺麗に化粧したばっかりなのにな」

そう言いながらも悪気なさそうに千翔は離れた。


「行ってきます」

千翔に見送られて私は専用エレベーターで地下5階の管理人室へとたどり着いた。


「あぁ、叶夢ちゃん。いよいよ卒業式だね」

「……えっと、素敵な振袖をご用意してくださって有難うございます」

「着ていただけて私も光栄ですよ。
さぁ、気を付けて行って来てくださいね」


そういって、千翔さんのお義父さんにも送り出してもらえた。


地下5階から1階へとあがると、ビルを離れ卒業式の会場へと向かった。


卒業証書を手にして全ての行事が終わった時、
何時の間にか迎えに来てくれた千翔が私の傍へとやってきた。


「叶夢、結婚しよう」


そういって私の前に差し出してくれたのはダイヤモンドが輝く指輪。


「婚約指輪を渡すのはこのタイミングしかないと思ってた。
 叶夢の指にはめていいか?」


千翔の言葉のままに私は頷くと、
指輪は私の薬指で特別な輝きを放ち始める。



「叶夢、帰っていいか?」


その言葉に静かに頷くと、千翔は私をエスコートするように愛車へと連れて行った。

何時もは千暁さんの車を拝借していたのに、
この日、私の前に姿を見せたのは見慣れない車。


「俺の車だよ。
 正式には俺と叶夢の車かな。

 叶夢も好きな時に運転してもらっていいよ」


そういって助手席へと私を誘導してくれた。


B.C. square TOKYOの地下駐車場へ車を止めて管理人室から52階へと向かうと、
千翔は部屋に入った途端に背後から私の体を抱きしめた。



「……叶夢……叶夢が欲しい……」


耳元で囁くおねだり。

そんなおねだりに答える様にそのままの体制で少し背伸びをして、
千翔の唇へと自分からキスを重ねる。



その瞬間、千翔の手が振袖の襟元からゆっくりと私の胸元へと手を滑り込ませてきた。

2つの双丘にやんわりと触れられるだけで、
知らず知らずのうちに気持ちよくて吐息が零れていく。


「叶夢……嬉しい?
 もっと声を聞かせて……俺しか知らない本当の叶夢を見せて?」


何度も何度も繰り返し囁かれるように、
甘い言葉を聞かせながらも、千翔の手は止まることはない。



玄関で抱き合っていた私たちは千翔にお姫様抱っこをされて千翔の寝室へと運び込まれる。


「叶夢……叶夢の全てを見せて」


そんな言葉に恥じらいを覚えながら、
頷くと千翔は袴の紐をするりと解いて床へと落とす。

袴の次は帯、振袖、長襦袢と……一枚ずつ脱がされて、
着物用の和装ブラジャーのホックを外した。


何度も指先で双丘の頂を指先で転がしながら、
私の反応を見て悪戯するように口の中へと含む。

その度に何度も何度も吐息が零れ落ちて、
ぞくぞくと体に電気が走っていくような気がする。


優しく触れられるたびに私の中のつぼみが、
じんわりと蜜を溢れさせる。



「叶夢……ここはこんなにも正直なんだね。
 嬉しいよ」



そういって私の蕾に触れた千翔は、何度も何度もじらすように下着の上から蕾の上をなぞっては、
少しずつ指を増やしていった。


何度も何度も気持ちいいところを刺激されて、私の意志とは関係なくピクピクと震えてしまい。
そんな私を見ながら、千翔は優しく「イっていいよ」っと指先の動きをリズミカルの早めていく。




目覚めては……抱き合って、目覚めては……抱き合って。




お互いの温もりを感じながら少し続けた真夜中、
私の蕾の中に……初めて千翔を感じた……。




「叶夢、愛してる……」




千翔……私も愛してる……。



私の終焉【おわり】まで貴方といたい。
私の全てで貴方を満たしていた。




眠らない街で何度も何度もお互いを感じあおう。




千翔……今日も明日も明後日も、
この眠らない街で愛を囁いて。



二人の心が満たされるまで。



END
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