誰にも言えない秘密の結婚
「本当に付き合ってないんですか?最近、藤原さんと吉田って仲良いから……」
「付き合ってないって!席が隣同士だから自然に話をするようになっただけだよ」
有本さん、拓海さんに好きだと言ってるようなもんじゃん。
拓海さんも多分気付いてるよね?
有本さんの気持ちに。
「…………おはよう、ございます」
いつまでも事務所のドアの前で突っ立ってるわけにもいかず、私はドアを開けて事務所に入った。
「おはよう」
「おはよう。明ちゃん、体調は良くなった?」
「はい。昨日はすみませでした」
「いいよ、いいよ」
自分のデスクに荷物を置く。
「体調、良くなって良かった。でもあまり無理するなよ?」
「はい……」
拓海さんがそう言ってきた時、有本さんは私をジッと睨んでいた。
私と目が合うと、プイッと横を向いて自分の席に戻って行った。
「気にするなよ?」
拓海さんが小さな声でそう言ってきた。
私は何も言わずにコクリと頷いた。