誰にも言えない秘密の結婚



事務所からどう歩いたのかわからない。


気が付くと、実家の前に立っていた。


深呼吸をして玄関を開ける。



「ただいま!」



リビングに向かって、明るくそう言った。



「明?どうしたの?」



お母さんが玄関に出て来る。



「拓海さん、出張で3日ほど帰って来ないから、それで……」


「そう……」



お母さんに心配かけたくなくて、そんな嘘をついた。


久しぶりに入る実家のお風呂。


ボーと考え事をしてたら自然と涙が溢れてくる。


拓海さんは、なぜミナちゃんって女性と結婚しなかったの?


もう離婚してあげた方がいいのかな……。


そんな思いが頭をグルグル回る。




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