誰にも言えない秘密の結婚
「それからかな、ミナから手紙が来なくなったのは……。せっかく電話をくれたのに、ろくに話もしないで電話を切ったことを怒ってると、勝手にそう思ったんだ。でも俺は、ミナからいつか返事が来ると信じて手紙を送り続けたんだけどね、それでも返事はなくて、ミナが書いていた住所に行ってみることにしたんだ……」
「会えたんですか?」
私の問い掛けに、拓海さんは静かに首を左右に振った。
「そんな……」
「その家には違う人が住んでた……」
「何で……」
何でミナちゃんは拓海さんに何も言わずにいなくなってしまったの?
「拓海さん?」
「ん?」
「…………私と、離婚して、下さい」
私はそう言って、拓海さんに頭を下げた。
「明……何で……」
顔を上げると、拓海さんが目を見開き私を見ていた。
「拓海さんが結婚する相手は私ではなくミナちゃんなんです。手紙が出せなかったのは何か事情があったからかもしれない。引っ越ししたのも家庭の事情があったからかもしれない。探偵に頼んで探すことは可能だと思います。だからミナちゃんを探して迎えに行ってあげて下さい!」
私は再び拓海さんに頭を下げた。
拓海さんは私とじゃなく、ミナちゃんと結婚して幸せにならなきゃいけないんだ。
だから……。