誰にも言えない秘密の結婚
「ミナと最後に遊んだ日に、ミナから告白された……。
お互い同じ気持ちで嬉しかったけど、俺はその時、大学生でミナは中学生。
俺は奨学金とバイトで大学に通ってたし、ミナは親の都合で飛行機に乗らないと会いに行けない距離に行ってしまう。
だからね、俺はミナにこう言ったんだ……」
「何て言ったんですか?」
「ミナが20歳になったら必ず迎えに行くから待っていて欲しいって……。
ミナもわかったって言ってくれて、別れたんだ……。
ミナは携帯を持ってなかったから、手紙でやり取りしてね。妹も生まれて、学校も友達が出来て楽しいって手紙に書いてあったんだ。
俺もミナを迎えに行くために一生懸命頑張ったよ。
だけどね、ある日を境に手紙がパタリと来なくなったんだ……」
「えっ?」
お互いの気持ちがわかって、迎えに行く約束までしたのに……。
何でミナちゃんは手紙を送らなくなったんだろう……。
「一度だけミナから電話がかかってきたことがあったんだ。夜中に公衆電話から。お兄ちゃんの声が聞きたかったからって……」
「そうなんですか?」
「うん。でもね、その時、大学もバイトも忙しくて、いつも徹夜で寝不足で……だからミナに、忙しいからゴメンって……ろくに話もしないで電話切っちゃったんだ……」
拓海さんはそう言って寂しそうに笑った。