誰にも言えない秘密の結婚




「明?」


「はい……」



顔を上げた拓海さんは、私の目をジッと見つめる。



「俺は、キミとは離婚しないよ?」


「えっ?」



目を見開き、拓海さんを見る。


拓海さんが離婚しないと言った訳……。


それって……。



「もう、ミナちゃんに会うことも、結婚することもできないから、ですか?だから、仕方なく私と……」


「そんな訳ないでしょ?」


「えっ……」


「ミナと会えないから、結婚できないから仕方なく明と離婚しないわけじゃないよ?」


「じゃあ、何で……」


「俺はね、明……」



拓海さんはそこで一旦、言葉を切った。


少し下を向き、私の手をギュッと握ってくる。


そして顔を上げて、再び私の目をジッと見つめてきた。




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