誰にも言えない秘密の結婚
「それが拓海の精一杯なんだよ」
社長はそう言って笑い続ける。
「そ、そうなん、ですね」
私は何て答えていいのかわからず、そう言って苦笑いをした。
「あの顔でもったいないよなぁ」
「は、はぁ……」
「高校の時なんか、めちゃくちゃモテてたのにな。入学式の時から周囲が騒つくくらいでさ。俺とつるむようになったら女の子から、拓海を紹介しろとか、どうにかしろとか言われて。俺も拓海に彼女作ったら?とか、女の子を紹介しようか?なんて言ってたんだけど、あいつは頑に拒否して。あの時から拓海の心の中にはミナちゃんがいたんだろうね」
社長は昔を思い出すような感じで、遠くを見つめながらそう話してくれた。