誰にも言えない秘密の結婚



ここの仕事は9時から18時まで。


休憩は1時間。


基本土日祝は休み。


私は事務職だから完全に土日祝と休みで残業もない。


でも私以外の人は休日出勤したり残業したりしてるみたい。


基本、自分で時間配分を考えて仕事をして、18時になったら帰ってもいいし、残業してもいいみたいな自由な感じ。


誰とも話さず、黙々と仕事をしているからか、時間が経つのが早い。


事務所の時計を見た時には終業時間の1分前だった。


デスクの上を片付け、パソコンの電源を切ろうとした時……。



「吉田?」


「あ、はい」



声をかけてきたのは西山さん。



「用事あって帰るから、これやっといて?」


「えっ?」



西山さんは私のデスクの上に造りかけの建築模型と道具類を置いた。



「あの……」


「あんた、どうせ暇でしょ?」



確かに帰っても暇だけど……でも今日は……。



「そういうことだから、じゃ、よろしくね〜」


「あ、あの……」



西山さんに声をかけたけど無視され、後藤さんと有本さんと事務所を出て行ってしまった。




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