誰にも言えない秘密の結婚



トイレから出ると、拓海さんの姿はなく……。


まだトイレの中かな?


ここで待ってよ。



「ゴメン、待った?」



ハンドタオルで手を拭きながら拓海さんがトイレから出て来た。



「私もさっき、出て来たとこだよ」


「そっか。中、入ってみる?」


「うん」



私が返事をすると、拓海さんが私の手を握りしめた。


そこから指を絡めてくる。


建物の中に入ると、お土産物コーナーやフードコート、レストランなどあって、人も沢山いて賑やか。



「何かいる?」


「飲み物、買っとこうかな」



そう言って、沢山並んだ自販機の前に止まった。



「何がいい?」



拓海さんはそう言って、ボディバッグから財布を取り出した。



「自分で買うので大丈夫、です……」



私も自分の鞄から財布を出す。



「いいから。自分の財布はしまいなよ」


「でも……」


「どれがいい?」


「じゃあ、このお茶を……」



拓海さんは自販機にお金を入れて、私が指定したペットボトルのお茶のボタンを押した。


取り出し口からお茶を取り、私に渡してくれる。



「ありがとう」


「どういたしまして」



拓海さんはそう言って、自分の飲み物も買った。




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