誰にも言えない秘密の結婚



次の日ーー。


そのまま抱き合うように寝た私たち。


目を覚ますと、目の前に拓海さんの寝顔が目に入ってきた。


綺麗な寝顔……。


昨日の夜、私は拓海さんに抱かれんだ……。


そう思うと、急に恥ずかしさが込み上げてくる。



「おはよう……」



拓海さんが目を覚まし、更に恥ずかしさが増し、私はモソモソと身体を反対に向けた。



「お、おはよう、ござい、ます……」


「明?どうしたの?」



拓海さんが後ろからギューっと身体を抱きしめてくる。



「あ、いや、その……恥ずかしくて……」


「こっち向いて?」



私は首をブンブン左右に振る。


なかなか拓海さんの方を向かない私に、拓海さんは私の脇腹にツーっと指を這わした。


背中がゾクゾクして、くすぐったくて、クネクネと身体が動く。


拓海さんは更に私の身体をくすぐっていく。


その拍子に思わず、身体がゴロンと拓海さんの方を向いた。


恥ずかしくて目が見れない。


そんな私の頬を指でツンツン突いてくる拓海さん。



「明は、可愛いね」



そう言って、クスクス笑っていた。




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