誰にも言えない秘密の結婚
「はぁ……」
今日で何回目の溜息だろう……。
デスクに置いたハンドタオルで額の汗を拭く。
「吉田?どうした?」
「えっ?」
隣にいる拓海さんが声をかけてきた。
「暑い?暖房の温度、下げようか?」
「あ、えっ?だ、大丈夫です……」
「ホントに?」
「はい」
「無理するなよ?」
「すみません……」
ハンドタオルをデスクに置いて、パソコンの画面を見るけど、それに集中できない。
数字を打ち間違えるみたいな凡ミスをして、なかなか仕事が進まない。
今日は残業かな……。