誰にも言えない秘密の結婚



トイレの床に座り込み、便器に顔を突っ込む。


胃の中のものが出ていく。



「明?」



トイレのドアをノックして、拓海さんの声が聞こえてきた。



「大丈夫?」



大丈夫。


そう言いたいけど、言えない。



「開けるよ?」



ダ、ダメ!


心の叫びは、拓海さんに聞こえるわけもなく、トイレのドアは開けられてしまった。



「明……」


「だ、だいじょう……」



そこまで言った時、再び吐き気に襲われた。


拓海さんが背中をさすってくれる。



「ねぇ、明?もし間違ってたらゴメンね……。もしかして、妊娠してるんじゃ……」



えっ?


拓海さんの言葉に動きが止まった。


妊娠?


私が?


…………あれ?


そう言えば……。


拓海さんに言われて思い出したけど、今月、生理きたっけ?


あれ?




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