誰にも言えない秘密の結婚



社長に寝てていいと言われたけど、そうもいかず、私はダイニングテーブルの椅子に座った。



「起きて、大丈夫?」


「はい」


「でもさぁ、驚いたよ」


「何が?」



コーヒーを持って来た拓海さんがそう聞いた。



「明はオレンジジュースね」


「ありがとう」


「いや、だって、いきなり結婚しました宣言してさ。何の前触れもなく」


「あれは、仕方なかったんだよ。後藤くんにあんなこと言われたから……だから、つい……」


「まぁ、確かにな」



社長はそう言って笑う。



「空翔?有本はどう?」


「あー!もぉ!そうだよ!大変だったよ!」


「えー!そんなに?」


「もうさぁ、泣いて泣いて暴れて、大号泣で仕事にならないから早退させた」


「そっか……。でも、有本は何であんなに泣いたんだろうな?」


「えっ?」


「えっ?」



社長と私、同時に声が出た。


2人で拓海さんの顔をジーと見る。


それに気付いた拓海さんは、ん?って顔をして私たちを見た。




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