誰にも言えない秘密の結婚
「何もないよ?」
「嘘」
「嘘じゃないよ」
「髪……」
「えっ?」
「さっき、髪を触ってたでしょ?それに今も、ほら」
拓海さんにそう言われて、慌てて髪を触っていた手を下ろす。
「俺には言えないこと?」
言えないわけじゃない。
私は首を左右に振る。
でも聞いてしまった時、拓海さんの答えが怖い。
「じゃあ、何?教えてよ?」
「…………有本、さん」
「えっ?有本が、どうかした?」
「もし、拓海さんが、有本さんの気持ちを知っていたら……ここにいるのは、私じゃなくて、有本さんだったのかなって……」
私の言葉に拓海さんが笑い出す。
「そんなこと考えてたの?」
「うん……有本さん、可愛いし……」
「ないない。有本はないよ」
「えっ?」
拓海さんはケラケラ笑い続ける。