誰にも言えない秘密の結婚



誰のせいでもない。


拓海さんにそう言われたけど、私は居ても立っても居られなくて、椅子から立ち上がると有本さんの側に行った。



「あの、有本さん?ゴメン、なさい……」



私は椅子に座って、西山さんに背中をさすられている有本さんに頭を下げた。



「そういうの本当にやめて!何で謝るの?私のことバカにしてるの?」


「バカになんてしてないです」


「そんな顔して、腹の中では笑ってるんでしょ?ザマァ見ろって思ってるんでしょ?」



有本さんが椅子から立ち上がる。



「そんなこと!」


「いい加減にしてよ!吉田のくせに!」



有本さんは私を睨みつけてくる。



「瀬名?お前、14時から◯◯様のとこで打ち合わせだったよな?優香ちゃんを連れて行って来い」



社長が後藤さんにそう声をかける。



「はい。有本、行こう?」



後藤さんは有本さんの側に行く。



「私はね、あんたが入社してくるずっと前から藤原さんが好きだったの!」



有本さんが声を荒げる。


それを西山さんと後藤さんが宥める。




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