誰にも言えない秘密の結婚
後藤さんが有本さんの肩を持つけど、それを振り払う有本さん。
私に詰め寄ってくる。
「それなのに、何で吉田なの?後から入って来たくせに!いつも暗い顔して、ブスのくせに!」
私はジリジリと後ろに下がっていく。
「ゴメン、なさい……」
「謝らないでよ!」
「有本、言い過ぎだろ?俺が勝手に好きになったんだよ!明に謝って?」
拓海さんも椅子から立ち上がり、私の側に来ると、有本さんにそう言った。
「私は悪くない!だから謝らない!これ見よがしに社内でイチャイチャして、大きなお腹を見せびらかして、人をイジメて楽しい?」
「有本、君だって今まで散々、明をイジメて意地悪してきただろ?後藤くんも、坂上くんも、西山もそうだろ?」
拓海さんはそう言って、みんなを見た。
有本さん以外、目を伏せる。
「うるさい!」
有本さんが叫ぶようにそう言った、その時……。
ーーどんっ!
身体に衝撃が走った。
身体のバランスを崩して、デスクの角でお腹を打ち付け、そのまま床に倒れ込んだ。