誰にも言えない秘密の結婚



目が覚めた時、病院のベッドの上だった。


ベッドの側に社長が座っていて、社長以外の人の姿は見当たらない。



「社長?」


「えっ?あ、ん?目が覚めた?」



俯いていた社長は、私が声をかけると顔を上げて笑顔を見せてくれた。



「拓海さんは……」


「うん、大事を取って入院になるから必要なものを取りに帰ってる」


「そうなんですね……。社長?お腹をの赤ちゃんは……」



1番大事なこと。


お腹の赤ちゃんは無事なのか……。



「大丈夫だったよ。お腹の赤ちゃん、元気だって」


「本当ですか!?」



私はベッドから起き上がろうとしたけど、社長に止められた。



「あぁ、でもさっきも言ったけど、大事を取って2、3日入院になるけどね」


「はい。でも良かったです……もし何かあったら私……」



私はお腹に手を当てた。


良かった。


本当に良かった。


でもゴメンね。


痛い思いさせちゃって、ゴメンね……。


お腹をさすりながら、赤ちゃんに何度も何度も謝った。




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