誰にも言えない秘密の結婚
「有本さん、綺麗だったね」
「そうだな」
結婚式の帰り道。
拓海さんと公園の中を並んで歩いていた。
「あのね、拓海さん?」
「ん?」
「私、実は結婚式に行くのが怖かったんだ」
「えっ?何で?」
「後藤さんって、私の中学の時の同級生でしょ?」
「あー……そっか……」
私がそこまで言うと、拓海さんは察したようにそう言った。
後藤さんの招待客に中学の同級生がいたらどうしようという不安があって、結婚式に行こうか凄く悩んだ。
だけど、お祝いしたい気持ちもあって出席することに決めたんだけど……。
「でも中学の時の同級生は誰も来てなかったみたいだね」
「うん」
席次表を見ると、高校、大学の時の友達ばかりだった。
「後藤さん、少しは私に気を遣ってくれたのかな?とか思ったり……」
「うん、まぁ、後藤くんも大人になったってことだね」
「そうかも」
私と拓海さんはそう言って笑い合った。
なぜ、中学の時の同級生を呼ばなかったのか、私には本当の理由はわからない。
だけど、このお祝いの席で、過去の辛いことを思い出すこともなく、純粋に2人を祝福できたのは良かった。