キミの音を聴きたくて
「舞優ちゃん、マネージャーさんが好きなんだー」
「う、うんっ。
月野さんは鶴本くんだよね?」
目の前で繰り広げられていく恋愛話。
通称、恋バナとやら。
どうやら相川さんは、アイドルとして活動する際のマネージャーのことが好きらしい。
けれど、秘密主義者で知らないことが多いそう。
……恋をしたことのない私には到底理解できないジャンルだ。
「ど、どうしてわかるのっ!?
そんなにわかりやすいかな……」
相川さんの言葉が当たったのか、顔が赤くなっていく月野さん。
でも、私もなんとなく察してはいた。
彼女が鶴本時雨(つるもとしぐれ)くんに好意を寄せていることには。