キミの音を聴きたくて


「サボっているって言っても、音楽の授業だけだけどね?」



「それは、私もですよ」




まさか、私と同じ人がいるなんて。



私は……あのことがあったからだけど。
会長はどうしてサボっているんだろう。



それも、音楽の授業だけ。




知りたいわけじゃないけれど、それがあまりにも当たり前のように言うから気になってしまう。



知ったところで私には関係ないし、関わることもないだろうけれど。




「ふうん、どうして?」



そう聞かれて、顔が強ばったのがわかった。




どうして、って、そんなの今の私に答えられるはずがない。
それに、彼には関係ないことなのに。



人それぞれ事情があるから聞いたら失礼だ。
そう思って私は聞くことを躊躇ったのに。



デリケートな話かどうか考えもしないで聞くなんて。
そんなのあんまりだ。

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