また、明日。
(有里side)

「あ、爽真!
もう8時半だよ!早く帰らないと消灯時間になっちゃう!」
「あー、そうだね
なんだか物足りないなぁ」
「ねぇ、爽真
キスして」
「え?急にどうしたの?」
「キスしたくなっちゃった」
「いいよ」

そう言うと彼は優しく唇を重ねてくれる。
触れるだけのキスなのに、すごく心が満たされて幸せな気分になっていく。
離れていく唇が名残惜しい。

「じゃあ、帰るね
また明日」
「うん、また明日」

歩いて、触って、眠って、目覚めて
そんな当たり前に来ていた
“また明日” は来なかった。

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