1 week
日向くんの隣にはこの前とは違う女の子がいた。

「日向、誰?」

「あぁ、ここのチケットくれたおじいさんのいる古本屋のお店のお姉さんと
その旦那さん…ほら、ユミのストーカーを解決してくれたお巡りさん。」

女の子は今まで見た中で一番綺麗だった。

今までの子は友達かもしれないけど
日向くんと腕を組んでるこの女の子は
きっと彼女なんだと思った。

日向くんの隣にはこんな子が似合う。

「こんにちは。」

彼女は今までの女の子と違って
私に敵対心丸出しで挨拶する。

自分の恋人とキスした女だとまるで気付いてるみたいに私なんかを警戒した。

私は会釈だけしてその場を宇宙とあとにした。

宇宙はその後ずっと無口だった。

私たち3人の様子が明らかにおかしかったから。

お昼になってカレーを食べにカフェに入った。

すでに人が並んでいて私たちが座れるまではすこし時間がかかった。

すると窓から美術館の中庭にいる日向くんと彼女の姿が見えた。

いきなり彼女は日向くんの頬を叩いて
背を向けて出て行った。

宇宙もそれを見ていた。

「夏月…もしかしてだけど…あいつと何かあった?」

私は何と言うべきが迷ったけど…

「何かって何があるのよ?」

と強気で答えた。

その時、「秋吉様」と名前を呼ばれて席に通された。

カレーを注文してしばらく宇宙は何も話さなかった。

「夏月…あの男と浮気したんだろ?」

「宇宙と一緒にしないで。
そんなんじゃないよ。

日向くんと私が一体いくつ違うと思ってるの?

宇宙は自分が浮気したからそんな風にすぐに勘繰るんだよ。」

そこへカレーが運ばれてきた。

「お待たせしました。」

まるで私たちの喧嘩の仲裁をするように…





< 22 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop