1 week
カレーはホントに美味しかったハズだ。

でも今の私には味がわからない。

日向くんにキスされたのは一方的で浮気なんかじゃないハズだ。

それでも自分の気持ちは明らかに日向くんに傾いている。

これが浮気じゃなかったらなんて言うんだろう。

宇宙は黙ってカレーを食べてる。

宇宙にももはや、このカレーの味がわからないだろう。

多分、宇宙は二度とここへカレーを食べに来ないだろうと思った。

「夏月…お前があの時からずっと俺を憎んでるのは知ってる。

あの時はお前も俺も参ってたんだ。
そんな時に美華に誘われて…ホテルに行った。

会ったのはあの時、たった一度だ。

しかもあの時は…信じないかもしれないけど
お前に悪くて美華とは寸前までいっても
寝られなかった。」

嘘だとわかってる。

ホテルまで言って寝ないなんて…有り得ない。

「そんな事誰が信じるの?」

「だから言わなかったんだ。

美華とキスもしたし、身体も触ったし
最後まで出来なかったって言っても浮気は浮気だし…

否定したところで何も変わらないし、信じないだろうし、傷つけたことには変わらない。

でもずっと後悔してる。

あの事でお前が俺を汚いモノでも見るようになって…

お前に避けられて自棄になった。

キャバクラの女と浮気したのは性の捌け口が欲しかったからだ。

わかるだろ?

30代の健康なオトコが妻に拒まれ続けて耐えられるワケないだろ?」

私と宇宙はお互いに愛し合ってた。

それでも一つのすれ違いから夫婦関係はいつの間にか破綻してしまった。

ここに来て元に戻せると思ったのに…
私の気持ちは違う所に向いていた。

やり直すのはもうたぶん無理なのだ。

そう思った。

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