恋する猫と魔法使い
アタシの想いが届いたのかわからないけれどナツカの猫なで声がアタシの耳に入る。
「あーら、また始まった。ナツカくんの猫なで声。恥ずかしくないのかしら。」
上品そうな黒猫が意地の悪い声でアタシに言う。
フクロウはアタシをフォローするように優しく教えてくれる。
「呼ばれてるよ。ナツカくんは使い魔に名前を付けないからああやって呼ぶんだよ。」
アタシはフクロウに教えられてナツカのところへ真っ直ぐ歩いていく。
アタシの背中を見てクスクスとおかしそうに笑いだしいているそれぞれの使い魔たち。
アタシはそれらを無視して歩き出す。
ナツカが優しい手でアタシを抱いてくれるから。