朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
医師の見立てでは、頭の中の線が切れたのではということ。お母様はなんとか意識を取り戻したが、依然自由に体を動かせない状態であったという。効果的な薬はアミルカにはないみたい。
そんな説明を聞いていると、足元の床に穴が開いたような錯覚に囚われる。このまま吸い込まれてしまいそう。
「なんとか今も意識はあるのですが……」
ボートレイト伯爵は震える手で胸ポケットから紙切れを取りだした。
「王妃様が一昨日に書かれた手紙です。ミリィ様へ」
その手紙を受け取り、広げる。自分の指が震えているのに気づいた。シワが寄った紙には、かつてのお母様の美しい字ではなく、ミミズがのたくったような文字と言えるか微妙なものが並んでいた。不自由な手で一生懸命書いたのだと思うと胸が痛んだ。
『愛するミリィへ
お母様はもう長くありません どうか、早く悲願を達成してください
お父様の仇を討って アミルカに栄光を
吉報を心から待っています』
これは……。
嫁入り道具を見て少し浮かれていた気持ちが、深い海の底に沈んでいくみたい。
要するにお母様は、死ぬ前にエドガーを殺してほしいと私に言っているのね。
ひどいわ、お母様。もっと私のことも気にかけてよ。国の繁栄より、自分の体のことを気にしてよ……。