朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「ねえ、ちょっと出てきていい?」


ルーシアに声をかけると、忙しそうな彼女は一瞬だけこっちを振り返って言った。


「ええ。でも、あまり遠くには行かないでくださいね。ドレスの微調整もしなくてはなりませんから」

「はーい」


返事をして、ドアを閉める。


「お帰りなさい、伯爵」


ここは宮殿の一番端。エドガーの部屋に近いから、彼がいない間は人通りが少ない。用事のない者が気軽に近寄れる場所ではないからだ。


「王女様……」


廊下で二人きりになると、伯爵が膝から崩れ落ちた。


「ちょっと、大丈夫? お医者様を呼ぶ?」


部屋に戻って誰かにおつかいを頼もう。そう思って振り返ると、ドレスの裾を引っ張られた。伯爵の方を見ると、彼がしわしわの手で私のドレスの裾を握っている。かたかたと震えながら、彼は消えるような声で言った。


「お、王妃様が」

「お母さまがどうかしたの?」

「王妃様が病に倒れられ──」


伯爵はぽつぽつと、お母様が病に倒れたことを語った。私が熱病に倒れた時と同じころに突然倒れたらしい。その知らせを受け、伯爵はアミルカに帰っていたんだ。

彼によると、朝起きてくるのが遅いと思って使用人が部屋をのぞいたとき、目は覚ましているがなかなか起き上がれないお母様を発見。起こさせて朝食を準備すると、異常に震えた手でスプーンを持った。スープを何口か食べたあと突然嘔吐し、そのまま意識を失った。


< 107 / 230 >

この作品をシェア

pagetop