朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
彼は見た目も良くて、外面が良いから性格も良く見える。何より王という地位を持っているから、結婚したいと思っていた大臣の娘が何人いても不思議じゃない。
「そういう環境で、あの性格が出来上がったわけね」
「ええ。いつも懸命に王としての責務を果たしながら、たまに空虚な顔をしていることがありました。きっと、幼い頃に愛されたかったのに愛されなかった、その影響が強いのでしょう」
気の毒なエドガー。幼い頃からずっと、寂しさと一緒に長い歳月を過ごしてきたのね……。
「ですがあなたに出会ってから、陛下は少し変わりました」
「えっ?」
私に会ってから?
「あなたと居るときは楽しそうにしています。心を開いているといった感じがします」
「そう? 私がからかわれているだけじゃない?」
「いいえ、長年陛下のお傍にいますが、あんなに穏やかな空気を感じるのは初めてです」
そんなことない。エドガーは私の前でも寂し気な表情を見せる。
「ミリィ様、どうか末永く陛下を支えてください」
センテムの丁寧な言葉にどう答えていいかわからないでいると、ふと馬の足が止まった。深い森の中から抜け出たようなところで、目の前には背の低い草しかない開けた土地が。その先は岩肌が見えている。
こんなところ、普通の人は来ないわね。だって、何もないもの。