朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「親衛隊、王女を連行しろ」


命令された親衛隊は、私に剣を突き付けた。そんな……エドガーを暗殺しようとしたことは本当だけど、もうやめようって決心したところなのに。いやそれより、ボートレイト伯爵は一人でどうしてそんな無謀なことを? 彼も捕えられているのかしら。


「剣をおさめろ。国王陛下を呼べ」


センテムは部下たちに怒鳴る。どうなるのかとハラハラしていると、こつこつと靴の鳴る音が宮殿の方から聞こえた。


「その必要はない。剣を下ろせ」


その凛とした声にハッとした親衛隊は即座に剣を収め、私の後ろに横一列に並んだ。開けた視界の先には、白い軍服を着たエドガーが。


「エドガー……」


風になびく金髪の間から除くブルーの目は、私ではなくオーケンを見つめていた。


「執事を止めてくれてありがとう。話はもう済んだ。王女を連行する必要はない」


静かに言うエドガーに、オーケンが顔を真っ赤にして反論する。


「どうしてですか。この王女も共謀していたに違いない。二人だけ特別扱いして刑を与えないなど、国民が許すでしょうか」

「執事は老化による認知力の低下により、錯乱していたと医師が言っている。つまり、病気だったのだ。情けをかけるに値する」


< 140 / 230 >

この作品をシェア

pagetop