朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「親衛隊、王女を連行しろ」
命令された親衛隊は、私に剣を突き付けた。そんな……エドガーを暗殺しようとしたことは本当だけど、もうやめようって決心したところなのに。いやそれより、ボートレイト伯爵は一人でどうしてそんな無謀なことを? 彼も捕えられているのかしら。
「剣をおさめろ。国王陛下を呼べ」
センテムは部下たちに怒鳴る。どうなるのかとハラハラしていると、こつこつと靴の鳴る音が宮殿の方から聞こえた。
「その必要はない。剣を下ろせ」
その凛とした声にハッとした親衛隊は即座に剣を収め、私の後ろに横一列に並んだ。開けた視界の先には、白い軍服を着たエドガーが。
「エドガー……」
風になびく金髪の間から除くブルーの目は、私ではなくオーケンを見つめていた。
「執事を止めてくれてありがとう。話はもう済んだ。王女を連行する必要はない」
静かに言うエドガーに、オーケンが顔を真っ赤にして反論する。
「どうしてですか。この王女も共謀していたに違いない。二人だけ特別扱いして刑を与えないなど、国民が許すでしょうか」
「執事は老化による認知力の低下により、錯乱していたと医師が言っている。つまり、病気だったのだ。情けをかけるに値する」