朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「国王陛下、隊長はどうしたら……」


若い親衛隊員が情けない顔で問う。俺が一瞬言葉につまると、センテム自身が両手をそろえて差し出した。


「……何を甘えたことを言っている。早く縛れ。脱走するぞ」


迫力のある低音でそう言われ、親衛隊員が恐る恐るセンテムに縄をかける。信用していた隊長の信じられない姿に、涙を浮かべていた。

お前がオルティスタを好いているのなんて、とっくにお見通しだったんだよ。どんな集まりでも彼女がいると、お前は目で追わずにはいられないようだった。父が彼女と俺の婚約を決めたと知った時は、泣きそうな顔をしていたじゃないか。

お前はバカだよ、センテム。いい男なのに、女を見る目だけはなかったな。

オルティスタ親子が連れていかれると、残った兵士たちが群衆を宮殿の外に誘導していく。

しかしこれで事態が全て収拾したわけじゃないだろう。王位を狙う輩や俺の権力を利用しようとするやつはこれからも現れるだろうし、元敵国の王女だったミリィも、時には辛い思いをするだろう。オーケン親子の裁判もまだ始まってもいない。

これからも困難だらけだろうけど、とりあえず今はお前が生きていることを喜ぼう。

愛してる、ミリィ。お前が生きていて良かった。


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