朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「王妃様は国王陛下を助けようとしたぞ」

「お二人をこんな風に追い詰めたオーケンは非情極まりない」


そこらじゅうから、オーケンを責める声が聞こえ始める。


「おい兄貴、言われた通り真面目に仕事をしてきたぜ。シャンデリアの太い鎖を切れる特製のやすりがオーケン大臣の邸宅から見つかった。毒蜘蛛を飼っていた飼育器も、餌のネズミもな」


俺に向かって得意げに言うラッセルの言葉に群衆がざわめく。ほとんどの貴族は宮殿で与えられた部屋とは別に街に邸宅を持っている。そこの調査を極秘で頼んだのは俺だった。

ボートレイト伯爵の一件でミリィを強く責めたことが引っかかって調べたが、やはりオーケンがミリィの命を狙っていたのか。自分の娘を王妃にするために。

もうひとつ、アミルカ兵士の行方を追えという指令は達成できなかったらしいな。オーケンが調査が始まるより先に捕えて、どこかにうまく隠していたのだろう。まだまだだな、ラッセル。


「センテムは許してやれよ。あいつは王妃とフェロミアを採りに行った時襲ってきた賊の正体を調べて始めて、オーケン親子がこの事件の黒幕だと知ったんだろう。ずっと彼らとつるんで王妃の暗殺計画を練っていたとは考えにくい」


ラッセルが近づいてきて、小声でそんなことを言う。俺はミリィの体を抱いたまま立ち上がった。


「続きは裁判で話すとしよう。親衛隊、オーケン親子を捕えよ!」


命令すると、親衛隊がきびきびとした動きでオーケン親子を捕えた。二人は泣きながら抵抗していたが、親衛隊の捕縛術の前にはなす術もない。


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