朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


事の始まりは二年前。

我が国アミルカと隣国シャイレンドルフの間に、国境にある鉱山の所有権を巡って争いが勃発。

たちまち激しい戦争となり、押しつ押されつの攻防を繰り返し、半年前ついに我が父・アミルカの王の部隊が破られた。

シャイレンドルフの軍隊に占領されたアミルカ。王族は実質的に何の権利もなくなり、城に軟禁され、最低限の物資での質素な生活を強いられていた。


『でもまあ、負けた方の王族皆殺しなんて話もよく聞くし、私たちは幸運だったのかもね』


そんなことを言った私を、お母様はキッとにらんだ。


『情けない。それでもアミルカの王女なの』


ええ、だって。そりゃあお父様が亡くなったのは悲しいけど、毎日めそめそ泣いていても何も良くならないし……。


『あいつらは、私たちにとんでもない条件を押し付けてきたのよ』

『とんでもない条件?』


贅沢品が押収されてがらんとした王妃の寝室で二人きり。私はお母様の顔を見つめた。


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