朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
どくんと跳ね上がる胸を押さえ付けるように、力強い腕がぐっと私を引き寄せる。コルセットを着けていない胸がエドガーの胸板につぶされ、形を変える。
苦しい。息も胸も苦しいよ。お願い、もうやめて……。
かり、と彼の肩に爪を立てる。すると私の息を奪う甘い唇がそっと離れた。
「お前の国の人間は人でなしだな。こんな純粋な、何も知らない姫君に人を殺させようとするなんて」
これ以上見つめられたら、どうにかなってしまう。慌てて顔をそらす。
「そんなこと……」
「家族や国民のためと思っていたんだろう。本当はこんなことができる人間じゃないのに。本当は怖くて仕方がなかったはずだ」
もうやめて。耳を塞ぎたいのに、抱きしめられていてそれができない。
「どうしても俺を殺したいなら、殺せばいい。ほら」
やっと解放してもらえたと思うと、エドガーが屈んで落ちたナイフを拾う。それを私の手に押し付けてきた。
「やめて……!」
私はそれを振り払うようにして、天蓋の外へ逃げ出した。足がふらつき、無様に転んでしまう。
「熱病で倒れたばかりだ。無理はするな」
熱病……そうか、私炎天下で訓練を見ていて、熱病になってしまったんだ。もしかして、エドガーが手当てをしてくれたのかしら。