朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令

わからないけど、隣に置いて様子を見てくれていたのは確かだろう。そのうちに自分も眠ってしまったのか。


「優しくしないで」


エドガーに背を向けたまま言った。私は役目を果たさなくちゃいけないの。


「ひどくされたい?」


背中から抱きしめられる。耳元で響くのは怪しく甘い声。


「その方がましかもしれない」


優しくされたら、どうしていいのかわからない。


「とにかく、もう少し休んだ方がいい。弱った体じゃ、ますます俺を殺すことなんてできない」


そうよ。きっと、熱病なんかになったから頭がおかしくなってしまってるんだ。

じゃなきゃ、できたはずだもの。あんな絶好のチャンスを逃すはずない。

エドガーは優しく私を抱き上げ、ベッドに戻した。


「お前が、俺のことを好きになればいいのに」

「え……?」


そう言ったエドガーはふっと寂しそうに笑う。


「お前は、憎む人間も愛する人間も、誰も裏切らない気がするから」


おでこに小さくキスをして、エドガーは私から離れていく。天蓋から出た彼が上着を羽織るのが霞んで見えた。


「ゆっくり休め」


エドガーはゆっくり歩き、部屋を出ていった。


< 84 / 230 >

この作品をシェア

pagetop