エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
源は男の目の前にスポーツ飲料をチラつかせて見せたが、
「この野郎!」
男はそれを掴もうと手を出したが空を切り、その弾みで膝が折れて地面に倒れこんでしまった。
源は男をすばやく担ぐと、木陰に運び、スポーツ飲料を飲ませてやると、一緒にコンビニで買ってきた保冷剤を首筋にあてて応急処置をしてやった。
「多分、これで大丈夫だ。後は少しずつ水分を補給していれば誰かがみつけてくれるさ。」
そして源が立ち去ろうとすると、男が源の手を掴んで、
「なんで助けた?俺たちはお前の命を狙っているのに…」
「さあ〜なんでかな‥ただ俺は昔から人が死ぬのはイヤなんだ。だからかな。別に貸しだとも思ってないから。」
男は、
「フッ」
と笑うと、
「イヤ、貸しは貸しだから返したいが、詳しい事情は聞かされてないんだ。ただこの件からは手を引いたが方がいい。捕まったら殺される。」
「返してくれてありがとよ。でも、もう行くわ!誰にでも命を賭けて守りたいものがあるだろう。俺はワルでバカだけど、子供に絶望を与える大人にはなりたくないから…」
「この野郎!」
男はそれを掴もうと手を出したが空を切り、その弾みで膝が折れて地面に倒れこんでしまった。
源は男をすばやく担ぐと、木陰に運び、スポーツ飲料を飲ませてやると、一緒にコンビニで買ってきた保冷剤を首筋にあてて応急処置をしてやった。
「多分、これで大丈夫だ。後は少しずつ水分を補給していれば誰かがみつけてくれるさ。」
そして源が立ち去ろうとすると、男が源の手を掴んで、
「なんで助けた?俺たちはお前の命を狙っているのに…」
「さあ〜なんでかな‥ただ俺は昔から人が死ぬのはイヤなんだ。だからかな。別に貸しだとも思ってないから。」
男は、
「フッ」
と笑うと、
「イヤ、貸しは貸しだから返したいが、詳しい事情は聞かされてないんだ。ただこの件からは手を引いたが方がいい。捕まったら殺される。」
「返してくれてありがとよ。でも、もう行くわ!誰にでも命を賭けて守りたいものがあるだろう。俺はワルでバカだけど、子供に絶望を与える大人にはなりたくないから…」