エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
 火菜は驚いて、

「そうなの!?ボスって殺されたの?」

 源は、言うべきか迷ったが、

「ああ、多分な。俺が病院を訪れた時もかなり悪かったけど、意識はまだしっかりしていたしな。それに昨日、一日の事をお前から聞いて考えてみたが、弥生さんとボスが接触した事が発端みたいだ。何かそこに問題が隠されていると思わないか?」

と、自分の考えをぶつけた。

「そーだね。弥生さんはまず何しに病院に行った?」

「彼女はずっと精神異常のフリをしていた。しかし、それは勇を守る為のカモフラージュで、中条の病気の事を知り、頼みに行ったのかもしれないなーお前たちの事をな!」

「多分そうだね。そしてボスはどうした?」

「そりゃあ、ボスだって人間だし、二人の父親だ。助けてやりたいと思ったさ。現にこの俺を呼び出してお前たちの事を頼んだ経緯もあるしな。しかし、それを実際には出来なかった。でも代わりに何かしたんじゃないか!?」

「なんだろう!何をしたんだろう…多分、結果的に私たちの助けになる事じゃないかな?」

「そうだ!きっとそうだ。それが何かは今は分からないけど、勇は知っているかもな。」

< 146 / 201 >

この作品をシェア

pagetop