エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
家政婦頭の里子は、親族に代わり、弔問して下さった方々に挨拶をしたりと大忙しだったが、一組の夫婦が入ってくると突然、顔色が変わった。
里子は急いで黒沢を呼びに行った。
「大変です。まさか望さんがやってくるなんて!!」
望と聞いて、黒沢は一瞬
(まさか、そんな訳ないだろう!?)
と思ったが、確かに昼間見た、あの顔がやって来ていた。
「なんでだ…」
望は、夫と共に里子に香典を渡すと、
つかつかと階段の下まで行って二階に向かって叫んだ。
「火菜!いるんでしょう?お母さんよ!出てきて顔を見せて」
これには、黒沢は肝を抜かれた。
(何が目的だ。この女!)
すぐに止めようとしたが、谷川がしっかりガードしている。
するともっと大声で
「火菜!火菜!勇も顔を見せて」
望が訴え掛けるので屋敷中が騒然とした。
そして、やっとで黒沢の部下たちも望を黙らせようと階段に集まったので二階の廊下に誰もいなくなった。
「よし!今だ。」
ドアを少し開けて様子をうがかっていた源は、なんとなく望のしようとしている事が分かった。
そして、源が火菜に言った。
里子は急いで黒沢を呼びに行った。
「大変です。まさか望さんがやってくるなんて!!」
望と聞いて、黒沢は一瞬
(まさか、そんな訳ないだろう!?)
と思ったが、確かに昼間見た、あの顔がやって来ていた。
「なんでだ…」
望は、夫と共に里子に香典を渡すと、
つかつかと階段の下まで行って二階に向かって叫んだ。
「火菜!いるんでしょう?お母さんよ!出てきて顔を見せて」
これには、黒沢は肝を抜かれた。
(何が目的だ。この女!)
すぐに止めようとしたが、谷川がしっかりガードしている。
するともっと大声で
「火菜!火菜!勇も顔を見せて」
望が訴え掛けるので屋敷中が騒然とした。
そして、やっとで黒沢の部下たちも望を黙らせようと階段に集まったので二階の廊下に誰もいなくなった。
「よし!今だ。」
ドアを少し開けて様子をうがかっていた源は、なんとなく望のしようとしている事が分かった。
そして、源が火菜に言った。