エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
男は、まず源を助手席に移し、ギアを『P』に入れるとサイドブレーキを引いた。
そして、クーラーを最強にして車内を冷やすようにすると、スポーツ飲料を出して少しずつ源に飲ませた。
すると、やっと男が口を開いて、
「あと少しで、車が前進するところだった。危なかったな。」
と言った。
源も喉が潤うと少しだけしゃべれる様になった。
「どうして?」
「だから俺は借りは返す主義なんだよ。昨日、お前に助けてもらわなければ、確実に俺は死んでいた。倒れていた俺を見て黒沢のヤツは足げにして『死ね』と言いやがった。だから俺はなんとしてもその借りも返さなければと這って病院まで行った。」
「そうか…。」
「しかし、まったくあの男は悪魔だ。昨日の俺を見てお前を『事故死』に見せ掛ける『完全犯罪』を思いついたんだろうからな。」
「ああ」
「それでもまだ、戦うのか?」
「ああ、モチロン。」
「お前も、『超』がつく程のバカだ。あと俺がしてやれるのは病院に連れて行くまでだ。でも折角、助けてやったんだから絶対死ぬなよ!」
「ああ、お前もな。」
そして、クーラーを最強にして車内を冷やすようにすると、スポーツ飲料を出して少しずつ源に飲ませた。
すると、やっと男が口を開いて、
「あと少しで、車が前進するところだった。危なかったな。」
と言った。
源も喉が潤うと少しだけしゃべれる様になった。
「どうして?」
「だから俺は借りは返す主義なんだよ。昨日、お前に助けてもらわなければ、確実に俺は死んでいた。倒れていた俺を見て黒沢のヤツは足げにして『死ね』と言いやがった。だから俺はなんとしてもその借りも返さなければと這って病院まで行った。」
「そうか…。」
「しかし、まったくあの男は悪魔だ。昨日の俺を見てお前を『事故死』に見せ掛ける『完全犯罪』を思いついたんだろうからな。」
「ああ」
「それでもまだ、戦うのか?」
「ああ、モチロン。」
「お前も、『超』がつく程のバカだ。あと俺がしてやれるのは病院に連れて行くまでだ。でも折角、助けてやったんだから絶対死ぬなよ!」
「ああ、お前もな。」