H ~ache~
(気紛れで抱いたと告げられるのが怖かった…その前に無かったことにした方が自分が傷つかないと思い、自分のエゴで部屋を出た)
「無かったことにはしないぞ」
考えていた事と正反対の事を言われて動揺した。
「え?」
どういう事だろう?
環は体の向きをかえて早瀬の正面を向いた。
「早瀬さんは…私をどうしたいんですか?」
「お前はオレのモノだ」
「私はモノじゃありません」
(やっぱり所有物…)
反発した環に早瀬はニヤリと笑って環の腕をつかんだ。
「諦めるんだな」
腕を掴まれ、早瀬のベッドルームに連れ込まれた。
激しく降っていた雨はいつの間にか止み、夕焼けがベッドルームを紅く染めていた。
「もう…ダメ…」
自身を環から抜くとそれすらも刺激になったらしく、背をのけ反らせて声をあげた。
「イイの間違いだろう?」
(よすぎておかしくなる…)
水を求めて早瀬の胸を手で押しやろうとするが力が入らなかった。
それを察した早瀬がサイドテーブルに置いてあったペットボトルの水を口に含むと、口移しで水を飲ませた。
「…」
口の端から溢れた水が環の喉を伝い落ちた。
それを見た早瀬は、淫靡な笑みを浮かべて環をうつ伏せにさせると肌を重ね、手を取り指を絡め頬を合わせた。
「んっ」
早瀬は先程まで挿っていた秘所にズプリと刺し入れると、環は仰け反り、声をあげた。
ゆっくりと抜き差しされ、快感に背を仰け反らせようとしたが
背中に早瀬の重みを感じ、首を反らして喘ぐ事しかできなかった。
うつ伏せにされていることで早瀬のモノは環も知らなかった快感を得る場所を擦り上げ、強すぎる快感に絡められていた指に力を込めた。
「ッ、…ンッ」
「声を抑えるな…」
耳を軽く噛まれ、環は堪らなくなり声を上げた。
「お前を抱くのはオレだけだ…」
「…」
髪を撫でられる感触で目が覚めた。
「…大丈夫か?」
心配そうに見ている早瀬と目が合い、恥ずかしくて背中を向けた。
(私…凄く乱れた…恥ずかしい)
「背中を向けるな」
グイ、と肩に手をかけると環を仰向けにした。
「恥ずかしいから見ないで下さい」
むぅ、と頬を膨らませ横を向いた。
「おまえは…」
愉快そうに言うと顎に手をかけ、自分に向けるとキスをした。
(もう、無理。…壊れる)
シャワーを浴びようとベッドから降りようとして床にへたりこんだ。
「え…」
足に力が入らない。
膝が…
「環?…あぁ」
早瀬が覗きこみ、床に座りこんでいる様子を見て合点がいったのかベッドから降りると環を抱き上げた。
「膝が立たなくなるくらい良かったか?」
ニヤリと笑いながら言い、環はふい。と顔を背けた。