気付いた時には2人の君が・・・
デート
日曜日。それぞれの人が1日自由に過ごすこの日、僕は彼女とデートすることになっていた。どうしても縮まらない距離を一歩でも歩み寄るためだ。
1時に彼女の家の前で待ち合わせ。時間まであと1時間くらいある。外は晴れているし風も強くなさそう。デートにぴったりの日だ。僕はお昼ご飯を食べ終え、支度をする。充電していた携帯をコードから抜き、机の上に置いてあった財布をズボンのポケットにしまい、時計を左手首にはめる。準備がすぐに終わり、時間が近づくにつれてそわそわしてきた。 座ってもじってしていられず、少し早めに彼女の家に向かう。
「春野くん早かったね」
彼女はすでに僕のことを外で待っていた。
「桜野さんこそ」
「家にいるとそわそわしちゃうから、外で待ってたんだ。良い天気だったし。」
「そっか、じゃあ同じだ。まぁとりあえず行きますか」
僕たちは少し離れたションピングモールへと向かった。

洋服、帽子、靴、アクセサリー、女の子の好きそうな店がたくさん並ぶ。日曜日ということもあって、家族連れや友達どうしできている人が多い。
「桜野さんはどっか行きたいところある?」
「そうですね、」
特にこれといって行きたいところはないらしく迷っているようだった。
「とりあえず、ざっと見ていこうか」
僕たちはモールを一通り回るため歩き始める。真ん中が吹き抜けになっていて左右にお店が並んでいるため、右側からお店をめぐる。
「そこの店寄ってもいい?」
ぼくは目の前の雑貨屋に入ろうと彼女に聞いた
「はい」
ぼくはそこであるものを買おうと、目当てのものを探す。彼女も自分の見たいものを探しに、別のところへ移動した。
「次はどうしようか」
雑貨屋での買い物を済ませ再びお店を探す。メガネ屋、アクセサリーショップを過ぎたところに本屋があった。
「本屋入ってもいいですか?」
「うん、行こっか」
平積みにされている本。彼女は新刊のコーナーで何か小説を探していた。
「いつもどんな本読んでるの?」
「感動する話とかです」
「そうなんだ」
彼女は面白そうな本を2冊ほど見繕いレジへと向かった。

「今日はありがとう」
「こちらこそ」
楽しかった1日が終わりを告げる。今日は彼女のことを少し知れた1日がだった気がする。
「じゃあまた明日」
「はい」
こうして、今日は1日彼女が入れ替わることなく終わった。
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