愛し君に花の名を捧ぐのレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2017/12/27 23:56
投稿者: 木下瞳子 さん
ネタバレ
“百”回読むに見“合”う物語

離れていた10年。
この時間が苑輝様とリーリュアにとって必要だったのでしょう。
10年前なら、
自分の血を呪う苑輝様が妻帯することはなかったでしょう。
リーリュアも、英雄である人をただの人間として受け入れられたかどうか。

けれど10年経って、歳の差がすれ違いを呼びます。

「恋に年齢は関係ない」そう思うのは若いからです。
歳を重ねると色々なものが見えてきます。
昔は想像さえできなかった「死」も、考えるくらいには。
それで、真っ直ぐで可愛らしいリーリュアの想いに簡単には応えられません。

けれど、悩む人であってほしい。
躊躇う人であってほしい。
それが想いの大きさで、誠実さだからです。

自分こそが彼女に相応しい
誰にも渡さない
そんな傲慢な言葉は言えません。
誰よりもリーリュアの幸せを願っていればこそ、言えません。

これは大きいけれど、静かで切実な溺愛です。

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★★★★★
2017/12/16 08:56
投稿者: 川瀬みち さん
ネタバレ
原動力は『好き』の気持ち。

好きになる事は心が動く事。恋をすると心も距離も近づきたいと思う。
葆の皇帝に嫁ぐ為にやって来た西国の王女。自分が決めた事でも文化の異なる国に嫁ぐには大きな勇気がいることだろう。言葉も作法も違う、何より家族も知人も馴染みの場所もない。それでも彼女を動かしたのは苑輝が好きだという気持ち。
真っ直ぐ真面目な苑輝と、真っ直ぐ素直なリーリュアは思えば平行線のようだったのかもしれない。寄り添おうと頑張るリーリュアは可愛らしく、けれどハッとさせられる強さがあり、それは王室に生まれた気品、気高さなのかもしれない。対する苑輝は、向けられる好意をそのまま受けとるには真面目すぎた。賢帝であることは間違いなくとも、人を愛するという点においては、その立場が災いして頭でっかちになっていたのかも。
でも大丈夫。頭で考えても、心に芽生えた愛情は簡単に消えません。いつしか近づいた線は重なり、太く長く続いていくのでしょう。

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