Love Summerー幼なじみを卒業ー
訳もわからない中、永君は外に出て行くし、ママたちは泣きそうだし、謎だらけ。



「まぁ、良いか」



煙草かも知れないし、ママはまだ酔いが残ってるのかも知れない。

オムライスに再び手を伸ばすと、玄関のドアが開く男。

お兄ちゃんたちが、テーブルから離れた。



「……何?」



さすがに怪しい。

そして永君は何で座らないのか。



「永君……何でスーツ?;;」



「悠李」



「はい……」



畏まった雰囲気に、押し潰されそう。

息を飲みながら立ち上がると、差し出されるジュエリーケース。

それを持つ永君の手は震え、私の視界が霞む。



「……ッ……」



「まだ何も言ってねぇよ」



「何か……勝手にっ……」



「結婚しよう」



「……ぅ゛ぅっ……」



「――愛してる」




「う、ぅ゛ー……っ……」



「悠李」



「永君ッ……!!」



プロポーズに、愛してるの一言。

待ち続けた事なのに、思わず地団駄を踏んで溢れそうな感情を堪える。

しかし、今日は特別とばかりに腕を広げる永君。

私はありったけのパワーを腕に込めて、永君の胸へと飛び込んだ。

ジュエリーケースと一緒に渡された封筒から透けるパパとおじさんの名前。

みんなが認め、サインをくれた婚姻届。

私たちが夫婦になる、大切なプレゼント。
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