Love Summerー幼なじみを卒業ー
「何か悔しい!私たちも結婚しようよ!」



「大丈夫!逃げないから!」



「逃げられたら、次の保障ないもんねぇ」



「ママっ!」



…煩いな!

せっかくの良い雰囲気で、何を騒ぐの!?



「永君……ちょっとだけさらば」



「は?;;」



「うるせぇっ!!」



--ドン…ッ



「い……ったいわ馬鹿!!」



これにはさすがの私も、久しぶりに全身で仕掛けた。

愛叶のお腹へ膝蹴りをお見舞い。



「どのタイミングで騒いでたか、わかってたのかあんたは――ッ!!」



「止めろ、悠李!」



「愛叶の命が危ない事は、昼間の話でわかっただろ?特攻隊長の娘なんだ、お前は;;」



「慧汰(あんた)は息子だ――…」



「――何でその話、知ってるの?」



「「「……えっ?;;」」」



再び愛叶に飛び掛かろうとした瞬間、お兄ちゃん2人に制止させる。

そこでの馬鹿兄貴(慧汰)のせいで、ママの眉間にグッとシワがより、知る筈もない話への追求。

どこかへ逃げようとするおばさんを、迷いながらも3人で指差すと、特攻隊長時代が呼び起こされたかのように、おばさんの背中にメンチを切り始めた。
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