強引同期に愛されまして。
*
準備だなんだにてこずったので、田中くんのマンションにたどり着いたのは二十三時ごろだった。すぐ近くにある駐車場に車を停め、彼がスーツケースを引きずり、私が旅行カバンを担いで歩く。
「つか、なんで今日来なきゃダメだったの? うちに泊ってもよかったじゃない」
「だって車できちゃったしな。俺スーツ持ってきてないし」
「どうしてそう判断が甘いのよ」
「うるせぇな。テンパってたんだよ」
私があくびをひとつすると、田中くんは私が持っていた鞄もぶんどった。
「部屋行ったらとっとと風呂入って寝ろよ」
「うん。そういえばベッドってひとつだよね」
「そうだけど。毎日ヤるほどがっついてねぇよ」
そういう言葉には恥じらわないのね。
昨日振りの五階の部屋。荷物を持ってもらって手ぶらなので、鍵は私があけた。
「先に風呂いけよ」
「うん」
私は先にシャワーを借り、明日着る予定の服をスーツケースの中から出して、布団に入った。
ドキドキして眠れるもんかと思ったけれど、疲れていたのか、彼がシャワーから出てくる前に眠りに落ちてしまった。
夢も見ない、深い眠りだった。
なのに、肌に何かが触れ、眠りの沼から引っ張り出される。
うっすら目を開ければ、田中くんが私を上から見下ろしていた。
「え? 何? 何時」
「朝。もうすぐ四時」
「早くない?」
「うん」
何度も頷きながら、彼の唇は私の体を伝っていく。
寝ぼけているのか? こんなことされたら、こっちだって動揺するんですけど。
準備だなんだにてこずったので、田中くんのマンションにたどり着いたのは二十三時ごろだった。すぐ近くにある駐車場に車を停め、彼がスーツケースを引きずり、私が旅行カバンを担いで歩く。
「つか、なんで今日来なきゃダメだったの? うちに泊ってもよかったじゃない」
「だって車できちゃったしな。俺スーツ持ってきてないし」
「どうしてそう判断が甘いのよ」
「うるせぇな。テンパってたんだよ」
私があくびをひとつすると、田中くんは私が持っていた鞄もぶんどった。
「部屋行ったらとっとと風呂入って寝ろよ」
「うん。そういえばベッドってひとつだよね」
「そうだけど。毎日ヤるほどがっついてねぇよ」
そういう言葉には恥じらわないのね。
昨日振りの五階の部屋。荷物を持ってもらって手ぶらなので、鍵は私があけた。
「先に風呂いけよ」
「うん」
私は先にシャワーを借り、明日着る予定の服をスーツケースの中から出して、布団に入った。
ドキドキして眠れるもんかと思ったけれど、疲れていたのか、彼がシャワーから出てくる前に眠りに落ちてしまった。
夢も見ない、深い眠りだった。
なのに、肌に何かが触れ、眠りの沼から引っ張り出される。
うっすら目を開ければ、田中くんが私を上から見下ろしていた。
「え? 何? 何時」
「朝。もうすぐ四時」
「早くない?」
「うん」
何度も頷きながら、彼の唇は私の体を伝っていく。
寝ぼけているのか? こんなことされたら、こっちだって動揺するんですけど。