強引同期に愛されまして。

「……だって私辞めないよ?」

「ん? わかってるぞ? ……てか、なんで泣きそうになってんだよお前」

「だってっ」


だってだってだって。
ずっと一緒にいられるんだと思っていたんだもん。
彼がとってくる仕事を、私がちゃんと形にする。そうやってずっと、彼を助けていけると思っていた。

でも仕事が代わったら、私は彼のサポーターじゃなくなる。
今までの関係とは変わってしまったら、私たちって大丈夫なの?


「おふくろに何言われたんだか知らないけど。俺が会社辞めるのはまだまだ先だぞ? 目標の営業成績一位もまだとってないし、親父だってまだまだ元気だし」


彼は一つも気にしていないようににっこりと笑う。


「それに、もし俺が辞めたとしてもなんも変わらないだろ」

「どうしてよ」

「え? だって。その頃にはお前、俺の一番近くにいるだろ?」


一瞬言われた意味が分からなくて固まった。
だって仕事辞めたら会社で会えなくなるじゃないの……って、ああ、そういう意味かあ?

思いついた途端に、顔がかあっと熱くなる。彼のほうは意味が通じたと思ったのか、ニヤッと笑って近づいてくる。


「俺はそのつもりだし、お前だってそうだろ?」


なんだか悔しい。すっかり彼のペースになっちゃってる私は、頷くことでしか返事ができない。
言葉が出てこなくなった唇は、彼の唇と舌で濡らされる。

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