毒舌王子に囚われました
まだ出会って間もない先輩の家で、お風呂に入るだなんて……
「そんなこと、できません!」
「できないもクソもあるか。お前、風呂の入り方もわかんねーの?」
「そ、そんなこと……ないですけど……」「なら、つべこべ言わずに入れ」
間髪入れずに、そうこたえる秋瀬さん。
問答無用だ。
「わ、わたしは、秋瀬さんとは……せ、せ、」
「は? なんだよ」
「……そういうことは、好きな人とじゃないと……できないです!!」
少しの間があいたあと、
「いちいち真に受けてないで、とっとと、頭から足の指先まで綺麗に洗ってこい」
相変わらず冷たい口調で話す秋瀬さん。
冗談だったのですか!?
「……っ、め、眼鏡はどこですか?」
「お前眼鏡かけて風呂に入んのかよ」
「ち、違いますけど……、お風呂場まで、眼鏡なしじゃたどりつけそうにないです」